東北学院大学(宮城県仙台市:学長 大西晴樹)は、2027年度に予定している教学組織改編構想の計画に関する記者発表会を2025年5月20日に開催した。発表会では、現行の9学部15学科を改編して、新たに2学部2学科を設置構想中であることを発表した。
発表会には、東北学院大学学長の大西晴樹、副学長(学務担当)兼教学組織改編推進室長の村野井仁、未来探究科学部(仮称)設置準備委員会委員長の中村教博、教育学部(仮称)設置準備委員会委員長の大迫章史の4名が登壇し、2027年度新設に向けて設置構想中の「未来探究科学部 デジタル構想学科(仮称)」、「教育学部 教育学科(仮称)」を含めた教学組織改編構想の趣旨・概要を説明した。
東北学院大学は、2023年度に五橋キャンパスの開学と同時に、地域総合学部(地域コミュニティ学科・政策デザイン学科)・情報学部(データサイエンス学科)・人間科学部(心理行動科学科)・国際学部(国際教養学科)を新設し、9学部15学科体制で文理融合型の学びを展開してきた。
2023年度以降は、各種データを活用して問題を解決する力を身につけることを目的として、統計やプログラミングの基礎、人工知能(AI)の仕組みなどを学ぶ文部科学省「MDASH(数理・データサイエンス・AI教育プログラム)」の認定や、2026年度より情報学部の入学者選抜に女子枠の導入を予定するなど、急速に進むデジタル化社会において求められる人材育成に取り組んできた。
2027年度に設置を予定している「未来探究科学部 デジタル構想学科(仮称)」は理系学部として新設。独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が公募する「大学・高専機能強化支援事業(支援1:学部再編等による特定成長分野への転換等に係る支援)」の補助対象校として選定され、デジタルテクノロジーを活用して、防災・減災、一次産業、少子高齢化といった日本および東北が直面している社会課題の解決策を構想する人材の養成を目指し、教育課程を編成する構想である。
未来探究科学部 デジタル構想学科(仮称)の概要
未来探究科学部 デジタル構想学科(仮称)学修イメージ
「教育学部 教育学科(仮称)」は既存の「文学部 教育学科」を発展的に改編する。既存学部学科で取得可能な教員免許状は小学校教員および中学校・高等学校の英語教員であったが、改編する学部学科では、中学校・高等学校の国語及び理科の教員免許状も取得可能となる。学校教育を軸とした児童教育コース、国語教育コース、理科教育コース、英語教育コースおよび学校教育に限定せず幅広く学ぶ教育文化コースの5つのコースを設け、小学校教諭一種免許状をベースに複数の教員免許が取得可能な教育課程を編成する構想である。
教育学部 教育学科(仮称)の概要
教育学部 教育学科(仮称)の学修イメージ
また、「未来探究科学部 デジタル構想学科(仮称)」および「教育学部 教育学科(仮称)」の説明については、6月28日(土)および7月26日(土)に開催予定のオープンキャンパスにおいて、新設学部の対象学年となる高校2年生および保護者に対する説明会を開催することも発表された。
■2027年度開設予定の新学部学科について
<未来探究科学部 デジタル構想学科(仮称)>
・入学定員:110名(予定)
・学位名称:学士(デジタル構想学)
・特色:
1.防災・減災、一次産業、少子高齢化、地域活性化等の日本・東北が直面する課題に対してデジタルテクノロジーを活用して解決策を探る人材を養成するための教育課程を編成。
2.課題解決立案・実践型のプロジェクト型学習(Project-Based Learning)を重視。
3.独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が公募する大学・高専機能強化支援事業の補助対象校として選定。
・卒業後の進路等:情報・通信業、製造業、システムエンジニア、デジタルインフラ、起業家、コンサルタント、公務員、NPO職員、大学院進学
<教育学部 教育学科(仮称)>
・入学定員:100名(予定)
・特色:
1.新たに中学校・高等学校の国語および理科の教員免許状が取得可能。
2.児童教育コース、国語教育コース、理科教育コース、英語教育コースおよび教育文化コースの5つのコースを設け、小学校教諭一種免許状をベースに複数の教員免許が取得可能な教育課程を編成。
3.教育を学校教育に限定せず幅広く学ぶ教育文化コースを設置。
・取得できる免許状:小学校教諭一種免許状、中学校・高等学校教諭一種免許状(英語)に加え、国語と理科の教員免許状を予定
・卒業後の進路等:小学校教諭、中学校教諭、高等学校教諭、図書館司書、社会教育主事、学芸員、NPO職員(教育関連)、一般企業(教育関連)、マスコミ、公務員、サイエンス・コミュニケーター(科学館等)、大学院進学
※記載の内容はすべて現在設置構想中の計画で、今後変更になる可能性があります。
■東北学院大学について
東北学院大学は「福音主義キリスト教」の信仰に基づき1886年に私塾「仙台神学校」として設立。2025年で創立139年を迎え、学生数約1万1千人を誇る北海道・東北地区における最大規模の私立総合大学へ成長。
2023年4月に仙台市中心部に都市型キャンパス「五橋キャンパス」を開学し、伝統ある「土樋(つちとい)キャンパス」と共に「ひとつのキャンパス」として文理融合の学びを実現。また、同時期には地域総合学部(地域コミュニティ学科・政策デザイン学科)・情報学部(データサイエンス学科)・人間科学部(心理行動科学科)・国際学部(国際教養学科)の4学部5学科を新設。2027年度には「未来探究科学部(デジタル構想学科)」および「教育学部(教育学科)」の設置を計画している。(現在設置構想中)