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仙台・福島美術館で「感謝を込めて」コレクション展 38年の運営に一区切り、休館へ

休館まで8期に分けて展示を行っている福島美術館。現在は第3期「花鳥風月~美術の中の自然」

休館まで8期に分けて展示を行っている福島美術館。現在は第3期「花鳥風月~美術の中の自然」

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 福島美術館(仙台市若林区土樋、TEL 022-266-1535)で現在、展覧会「福島美術館より感謝をこめて『福島禎蔵が愛し遺(のこ)したコレクション』」が開かれている。

絵巻物の展示も

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 同館は社会福祉法人共生福祉会(太白区袋原5)が1980(昭和55)年に開館した私設美術館。同会を創設した仙台の実業家・福島禎蔵、父・与惣五郎、祖父・運蔵の3代にわたり集めた、書・絵画・工芸品・古書籍など約3000点の美術工芸品を収蔵している。

 開館以来38年間、年3回企画展と通年の常設展を開き、「身近で分かりやすく」を意識した作品紹介を行ってきたが、建物の老朽化、東日本大震災で生じた雨漏りの再発影響による壁面などの劣化が著しいため、大規模修繕が難しいとの判断から解体を決定。2018年度末にいったん休館することになった。

 「休館までに、収蔵する多くの作品を皆さまにお楽しみいただきたい」と、8期に分けて展覧会を企画。現在は第3期として「花鳥風月~美術の中の自然」を開き、「花鳥風月」をキーワードに、作品の中の自然や鳥などにスポットを当て紹介している。主な展示作品は、遠藤速雄筆「仙台春夏秋冬図」、橋本雪蕉筆「渓山驟雨(しゅうう)図」、小杉放菴筆「雉(きじ)」、喜多武清筆「東籬(とうり)秋色」、高橋天華筆「聯(れん) 乾坤」など。

 同館学芸員の尾暮まゆみさんは「花鳥は花をめで鳥の声に耳を傾ける優雅な心のことで、風月は風や月を題材に詩歌を作る文才のあること。花鳥風月とは、日本人が天地自然の美しい風物をめでる言葉」と説明。「美術の中の自然を四季の移ろいに合わせて展示している。この場所で迎える次の春は来ないので、展示室の中で次の春を感じていただければ」と話す。今月30日まで。

 開館時間は9時~16時30分。日曜・月曜休館。入館料は、一般=400円、学生・70歳以上=300円、高校生以下・障がい者無料。

 7月10日~28日は第4期「あの人・この人~人物画を楽しもう!」。同13日には、同館4階会議室でミュージアム講話「福島美術館産みの親・福島禎蔵が愛し遺(のこ)したもの」を開く。

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