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東北歴史博物館で「東大寺と東北」展 創建時からの関わり示す展示など170点

「東大寺と東北」展示の様子。左は同展公式グッズにも使われている「重文 五劫思惟阿弥陀如来坐像 東大寺蔵」

「東大寺と東北」展示の様子。左は同展公式グッズにも使われている「重文 五劫思惟阿弥陀如来坐像 東大寺蔵」

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 東北歴史博物館(多賀城市、TEL 022-368-0106)で4月28日、東日本大震災復興祈念特別展「東大寺と東北-復興を支えた人々の祈り」が始まった。

テープカットに参加したみうらさんといとうさん

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 奈良時代に創建された名刹(めいさつ)・東大寺は鎌倉時代・江戸時代に起きた2度にわたる災禍から復興し、新たな文化や歴史を創造し人々に勇気と希望を与えてきた歴史がある。同展は同寺の特別協力、奈良国立博物館の学術協力を得て、「東大寺の歴史と復興の道のりが、東日本大震災からの一日も早い復興を願う東北の人々にとって、未来への道しるべとなること」を願い企画された。多賀城市と奈良市は友好都市関係にある。

 国宝17点・重要文化財25点を含む、東大寺の寺宝や資料を中心に約170点を東北初展示する。東大寺の盧舎那(るしゃな)大仏造営には陸奥国小田郡(現在の宮城県)で産出した金が使われ、東大寺と東北のつながりが創建当初から認められているほか、鎌倉時代・江戸時代の復興も東北とのつながりがあることから、東大寺の復興と東北との関わりを構成に盛り込んだ。

 「第I部/東大寺の復興」は、「東大寺の創建」「鎌倉時代の復興」「江戸時代の復興」「『不退の行法』修二会の歴史と安寧への祈り」の4章に分けて展示。近年の発掘調査などから東大寺の歴史に迫るテーマ展示「掘り出された東大寺の歴史」も行う。「第II部/古代東北における災害復興」は、「鎮護国家と古代東北の寺院」「古代における東北の復興」の2章に分けて展示する。

 主な展示物は、「国宝 弥勒仏(みろくぶつ)坐像(ざぞう) 東大寺蔵」「国宝 誕生釈迦(しゃか)仏立像及び灌仏盤(かんぶつばん) 東大寺蔵」「国宝 金銅八角燈籠火袋羽目板 東大寺蔵」「国宝 重源上人坐像 東大寺蔵」「重文 五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀如来坐像 東大寺蔵」「重文 地蔵菩薩(ぼさつ)立像 東大寺蔵」「重文 公慶上人坐像 東大寺蔵」など。前期(5月27日まで)、後期(29日~6月24日)に分け、一部展示の入れ替えを行う。

 開幕に先駆けて4月27日、同館で法要と開会式が行われた。東北歴史博物館の鷹野光行館長をはじめ、菊地健次郎多賀城市長、華厳宗管長・第222世東大寺別当の狹川普文師、奈良国立博物館の松本伸之館長のほか、「仏像大使」のイラストレーター・みうらじゅんさんと作家・クリエーターのいとうせいこうさんも来場し、テープカットを行った。

 開館時間は9時30分~17時(発券は16時30分まで)。月曜休館(4月30日は開館)。入場料は、一般=1,500円、65歳以上=1,300円、小・中・高校生=600円。多賀城市出身の俳優・千葉雄大さんがスペシャルナビゲーターを務め、みうらさんといとうさんも特別出演する音声ガイド(520円)も用意する。6月24日まで。

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