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仙台で詩人・金子みすゞと書家・金澤翔子さんコラボ展 「こだまでしょうか」も

「こだまでしょうか」など金子の詩を金澤さんが書にした作品を中心に100点を展示する

「こだまでしょうか」など金子の詩を金澤さんが書にした作品を中心に100点を展示する

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 仙台の百貨店「藤崎」(仙台市青葉区一番町3、TEL 022-261-5111)本館7階で3月10日、「金子みすゞ・金澤翔子~ひびきあう詩と書~」が始まった。

「みんなちがって、みんないい」

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 大正時代末期から昭和時代初期にかけて作品を発表した童謡詩人・金子みすゞ。1923(大正12)年9月に「童話」など4誌で一斉に詩が掲載され、詩人・西條八十からは「若き童謡 詩人の中の巨星」と称されたが、26歳の若さで亡くなった。代表作は「私と小鳥と鈴と」「大漁」など。作品の一つ「こだまでしょうか」は、東日本大震災後にACジャパンのCMに使われ話題を集めた。

 書家・金澤翔子さんは1985(昭和60)年生まれで、生後間もなくダウン症と診断された。書道家の母・蘭鳳さんに師事して5歳から書道を始め、20歳を機に開いた初の個展「翔子 書の世界」以来、国内外で活躍の場を広げている。2015年3月20日には、米ニューヨーク国連本部でスピーチを行い、日本クラブのギャラリーで個展を開いた。NHK大河ドラマ「平清盛」の題字を担当したことでも知られる。

 同展は、金子の作品を金澤さんが筆でしたためたコラボレーション展。会場は「第1章 みすゞと翔子 こだまでしょうか」「第2章 金子みすゞの世界」「第3章 金澤翔子の世界」「第4章 みすゞと翔子こころ」で構成する。金子の詩から金澤さんの感性を通して生み出された作品群のほか、金澤さんの代表作、金子の遺稿が記された手帳などの肉筆資料も展示する。

 「温かく慈愛に満ちた詩編の数々を紡ぎ、将来を嘱望されながら26歳で亡くなった童謡詩人・金子みすゞの生涯と作品を紹介するとともに、ダウン症というハンディキャップを背負いながら書家として活躍する金澤翔子の歩みと代表作、さらに日々の生活の中で彼女自身が親しんだみすゞの詩の一節をしたためた作品を展示している」と同展担当者。

 「東日本大震災後、テレビで流れた『こだまでしょうか』は誰もが心に残った言葉。物だけではなく、私たちはたくさんの言葉で励まされてきた。たくさんの方に希望・勇気・感動を感じ取っていただければ」と来場を呼び掛ける。

 3月12日(14時~)は金澤さんが来場し、本館6階美術ギャラリーで卓上揮毫(きごう)を行う。

 開催時間は10時~19時30分(入場は閉場30分前まで、最終日は16時閉場)。入場料は、一般・大学生=800円(3月11日は入場無料)、高校生以下無料。今月15日まで。

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