日本初の講座「女子学」話題に-仙台・常盤木学園女性教員が運営

「女子学」の講座を受ける常盤木学園の女子生徒たち-同校体育館で

「女子学」の講座を受ける常盤木学園の女子生徒たち-同校体育館で

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 仙台の常盤木学園高等学校(仙台市青葉区小田原4)が日本初となる講座「女子学」を開始し、話題を集めている。

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 1928年に女子高として設立された同校では、早くから芸術教育に力を入れ、個性的な制度や講座を積極的に取り入れてきた。2005年4月から、音楽科が男女共学となっている。

 同講座は「女子はどう生きていけば幸せになれるのか」をコンセプトに、将来の幸せな自分の姿をイメージさせ、社会で自立できる女性を育成するのが目的。その背景には「環境・子ども・福祉・教育など、もともと女性的な言葉が時代のキーワードとなり、これからますます女性が日本社会で活躍しなければならない状況がある」(同校)という。

 講座では、同校の女性教員が年代別に分かれてグループを構成。講座実施までの準備には男性教員も協力するが、基本的に女性教員のみで運営する。同講座を企画した同校の長野雅弘校長は「先生たちが変われば生徒も変わる。特に女子高は女性教員に伸びてほしい」という思いがあったと話し、「同じ年代、近い年代同士であれば生まれてきた時代背景も似ているので、テーマの設定がしやすく、焦点がぼやけずにすむと考えた」という。

 5月から行われてきた同講座では、「勘違い女」「賢いお金の使い方」「『冬のソナタ』にみる女性の自立」などユニークなテーマを設定。11月に行われた6回目の講座は同校の創立物語を通して女子教育について学ぶ内容で、体育館に集まった約1,000人の全校生徒の前で教員が創始者夫妻を演じて芝居を行った。

 これまで一宮女子高等学校(愛知)、平安女学院中学校・高等学校(京都)などの校長を歴任し、学校改革を行ってきた長野校長は「『学校の常識は社会の非常識』と言われるほど時代遅れの部分がある。教育の普遍的な部分は変えずに、手法は時代に合ったものを積極的に取り入れていくべき」とし、「教育改革をしなければ日本が滅びるとすら思っている。そのためにも常盤木学園を日本の女子高教育のモデルに確立し、教育とはこういうものではないのかと発信していきたい」と意気込みを見せる。

常盤木学園高等学校

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