
仙台管区気象台(仙台市宮城野区五輪)が4月10日に桜(ソメイヨシノ)の満開を発表した。翌11日は午後から青空が広がり最高気温が19度を超え、絶好の花見日和となった。
同気象台では構内に植わる標本木を1日3回、目視で観測し、約8割以上のつぼみが開いた状態を満開とする。10日15時ごろに発表があった。平年より3日早く、昨年より1日遅かった。
早咲きの桜から遅咲きの桜まで48種類約750本が約1カ月間にわたって順に開花する太白区の三神峯公園では11日正午ごろ、カップルや親子連れ、年配の夫婦、ウオーキングクラブの一行など200人ほどがシートを広げて花見を楽しんでいた。
区内にあるそれぞれの住まいから訪れたという70~80代の3姉妹は、買ってきた弁当や小さな缶ビールを味わいながら、会話に花を咲かせていた。長女は「朝は雲が厚かったので雨が降るかなと思ったが、年に1度の恒例行事なので傘を持ってみんなで集まった。いい天気になって良かった」と笑顔を見せた。
幼稚園から5歳の息子を迎えて歩いて来たという40代女性は、県外から仙台に越してきて近くに桜の名所があると知り、昨年初めて訪れたという。「去年来た時よりも暖かくて、満開の桜もとてもきれいで、天国みたいな景色」と目を細める。売店で買ったフライドポテトを食べていた男の子は「食べたらボールを蹴って遊ぶ」と話していた。
同公園では今月4日から「さくら祭り」を開催。飲食販売ブース(10時~17時)を開設し、ビールやソフトドリンク、かき氷や軽食を販売している。近隣の商店街などでつくる花見協賛会の男性によると、今年は開花発表後も気温が上がらず人出が鈍かったといい、「この週末が見頃のピークで多くの人出を期待しているが、日曜に雨が降りそうなので心配」と気をもむ。「ソメイヨシノが散っても遅咲きの桜はこれからなので、見に来てもらえれば」とも。さくら祭りは今月19日までを予定。
同気象台が11日17時発表した予報によると、12日の仙台は曇りで最高気温は16度、13日は曇り後雨で最高気温が11度まで下がる見込み。