「ミッフィー(うさこちゃん)」の生みの親として知られる故ディック・ブルーナさんが手がけた絵本の原画を展示する「ブルーナ絵本展」が8月3日、東北福祉大ギャラリー「ミニモリ」(仙台市宮城野区榴岡2)で始まった。主催は河北新報社、仙台放送、朝日新聞社、松屋。
オランダ・ユトレヒト生まれのブルーナさんが初めての絵本「de appel(りんごぼうや)」を1953年に出版して昨年で70周年を迎えたことを記念した同展。ミッフィーシリーズ約30冊をはじめ、約120冊の作品を振り返りながら、創作に共通するデザインワークやユーモアに迫る。仙台は5会場目で最終会場。
展示の前半では、ミッフィーのほか、クマの「ボリス(ぼりす)」、ブタの「ポピー(うたこさん)」、イヌの「スナッフィー(くんくん)」など、それぞれの絵本シリーズと登場キャラクターを紹介。童話「シンデレラ」「あかずきん」「しらゆきひめ」など、他とはタッチや色使いの異なる作品も、日本初公開の原画15点と共に紹介する。
さまざまな作品に繰り返し登場するシーンやモチーフを「なみだ」「こども」「まど」「ゆき」など7つのテーマに分けて展示するゾーンも用意。会場の所々にブルーナさんが創作について語っていた言葉が記され、併せて見ることで表現の意図をより理解できるようになっている。
後半では絵本「ぼりす そらをとぶ」の原画・スケッチ約30点を通して、一枚の絵が完成するまでの過程を見せるコーナーも。ブルーナさんが創作に取り組む姿を収めた映像も流し、納得のいく形ができるまでスケッチが100パターンを超えることもあったという一本の線に対するこだわりを伝える。最後のゾーンでは、ブルーナさんが自らの原画を基に作成したシルクスクリーン作品やポスターを展示する。
朝日新聞社メディア事業本部の鈴村綾子さんは「ミッフィーだけではない絵本作品を国内で一堂に紹介できる初めての機会。70周年を迎えたブルーナさんの絵本は3、4世代という幅広い年齢の方が一度は見たことがあると思うので、どなたでもその記憶と共に楽しめると思う。見どころはたくさんあるので、じっくりと見て回ってもらえたら」と呼びかける。
開催時間は10時~17時(最終入場は16時30分)。料金は、一般=1,300円、高校生=900円、小中学生=700円。今月25日まで。