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木の屋石巻水産が「あなご飯」「たこ飯」缶詰  被災時の経験から開発

「あなご飯」缶詰と「たこ飯」缶詰。手前はふたを開けてそのままの状態

「あなご飯」缶詰と「たこ飯」缶詰。手前はふたを開けてそのままの状態

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 水産加工品を製造販売する「木の屋石巻水産」(石巻市)が3月1日、新商品「あなご飯」缶詰と「たこ飯」缶詰の販売を始めた。

茶わんに盛り付けた「あなご飯」と「たこ飯」

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 同社初となる「ご飯缶」の発案者は、東日本大震災を経験した営業担当者だという。営業部広報担当の大田桃歌さんは「当時避難していた場所で配られた乾パンがありがたかったが、水もない状況で飲み込むのが大変だと感じたそう。その後、流された自宅から掘り起こした当社の缶詰がおいしかったこと、大変な時こそおいしいことが幸せだと感じたとも」と代弁する。

 非常時を想定して「水や火がなくても食べることができる」「食べやすい」「おいしい」の3点を満たす商品の試作を進めていたところ、元日に能登半島地震が発生し開発のペースを上げた。東日本大震災から13年となる3月11日を前に、発売にこぎ着けた。

 「あなご飯」缶詰は、国産イラコアナゴを同社の人気商品「あなご醤油(しょうゆ)煮」缶詰と同じ味に仕上げた。「たこ飯」缶詰は、宮城県産ヤナギダコをニンジンとタケノコと一緒に日高昆布だしで炊き上げた。白米では日がたつと糊化(こか=でんぷんがのり状になること)し、固くなってしまうことから、玄米を採用。大田さんは「日がたってもご飯のやわらかさを維持できるよう時間をかけて検証した。缶の中でご飯を炊き上げるために、水分量については細心の注意が必要で、味の濃さも含め何度も試作を重ねた」と振り返る。

 賞味期限は製造日から3年。「備蓄として災害時はもちろん、日常生活でもご飯を作るのが面倒な時に缶詰一つでご飯が完結するので、1缶置いておくだけでも便利。日常では湯煎や容器に移して電子レンジで加熱して食べてもらえれば」と大田さん。「東北土産としてもお薦め」とも。

 内容量は160グラム。価格はオープンで、同社オンラインストアでは660円で販売。同社美里町工場直売所(美里町)、「いしのまき元気いちば」(石巻市)、「岡清」(女川町)、「おもしろいし市場」(白石市)ほかで取り扱う。

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