宮城の「ご当地CMソング集」発売へ-5年かけ48曲収録

「宮城なつかしCM大全集」のCDジャケット。イラストは仙台市在住の画家、小野寺純一さんが手掛けた

「宮城なつかしCM大全集」のCDジャケット。イラストは仙台市在住の画家、小野寺純一さんが手掛けた

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 宮城県内のテレビやラジオで流れる、いわゆる「ご当地CMソング」を集めたCD「宮城なつかしCM大全集」が4月中旬、BGMやCMの制作を行う東北放送施設(仙台市青葉区本町2)から発売される。

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 CDは同社監査役の伊藤豊生さんが発足した「宮城なつかCM保存会」が企画。同社に残っていた約20曲の音源を元に制作を開始した。その後、ほぼ同時期に独自でコマーシャルフィルムの発掘を行っていたフリーの企画プロデューサー、伏谷宏二さんが合流。わずかな手がかりから音源を探し出し、版権者に了承を得る作業は難航を極め、制作は5年に及んだ。

 音源は見つかってもクレジットの記録がなく、作詞作曲者、歌手不明というケースが連続。それでも「あの曲がない、と言われるのだけは嫌で、もうほとんど『意地』で集めた」(伏谷さん)という収録曲は最終的に48曲にも上った。

 曲目には藤崎や旧丸光(現さくら野百貨店)など仙台駅前の百貨店、お茶の井ヶ田や永楽園、「笹かま」で有名な阿部蒲鉾店や鐘崎、「萩の月」の菓匠三全といった仙台の老舗メーカーがそろう。ほかにも県内の放送局各局や遊園地のベニーランド、仙都タクシーなど、いずれも地元ではおなじみの顔だ。

 こうした「企業ソング」はおもに昭和30年代後半~40年代前半、高度経済成長の中で生まれたもの。伏谷さんは「1曲1曲にゆかりがあり、それを聴いていた人たちにもそれぞれ当時の思い出があるはず。CD制作は困難を極めたが、聴いてくれた方に『こんな時代もあったね』と懐かしんでもらえたら、苦労した甲斐がある」と話していた。

 仙台市内の書店で1000枚の限定発売。価格は3675円。売り上げの一部を慈善団体への寄付にあてる。

東北放送施設

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