「さくら野百貨店仙台店」運営会社が破産 従業員の当日、テナントの思い

2月28日のさくら野百貨店仙台店の店頭。営業を続ける賃貸借店舗の利用客も見られた

2月28日のさくら野百貨店仙台店の店頭。営業を続ける賃貸借店舗の利用客も見られた

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 仙台駅前のさくら野百貨店仙台店(仙台市青葉区中央1)を運営するエマルシェ(同)が2月27日、仙台地裁へ破産を申請し同日、破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約31億円。

降りたシャッターに貼り出された公示

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 同施設は1946(昭和21)年に創業された百貨店「丸光」を前身とし、「ダックシティ丸光」「ダックビブレ仙台店」「仙台ビブレ」を経て、2002年9月から現名称で営業してきた。エマルシェの破産を受け、2月26日をもって同社が運営する店舗は営業を停止し、約120人の従業員は解雇された。

 2011年8月から同施設の地下1階でテナントとして営業していたナポリタン専門店「東京ナポリタン●マルハチ」(●=〇に数字の8)を運営するオールスパイスの角田秀晴社長も27日朝に閉店を知った。「従業員の方々も当日や前夜に知ったようだ。店舗内の片付けをしている姿が痛々しく、その気持ちを考えると、つらいだろうと思う」と気遣う。今後について、「残念ながら期限の見えない営業休止状態となってしまった。今は、この場所で再開したい。その思いだけ」とも。

 東京商工リサーチによると、エマルシェは2011年3月に発生した東日本大震災の被災により資金繰りが急激に悪化。仙台駅周辺の再開発やそれに伴う大型商業施設の新規開業による有力テナントの撤退が減収推移に拍車を掛けたほか、賃料未払いが表面化して地権者から建物明け渡しの訴訟を起こされる事態に。2016年3月にはテナントの撤退で資金繰りが行き詰まり、ついに70年の歴史に幕を下ろした。

 以下の10店舗の賃貸借店舗については、当面営業を続ける予定。1階=ドコモショップ、楽天モバイル、伊藤豆屋、さくら野チャンスセンター、2階=H&M、ゼクシィ、4階=ニットソーイングクラブ、5階=ICI石井スポーツ、6階=エルセーヌ、6階・7階=ブックオフ。

 2005年に別会社のさくら野百貨店(青森県青森市)へ経営を譲渡した青森店、弘前店、八戸店、北上店の4店舗は従来通り営業を続ける。

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