仙台で「ビジネスグランプリ」公開プレゼン 女川産エレキギターが最高賞

グランプリを受賞したセッショナブルの梶屋陽介さん(右)。ベガルタ仙台の竹中嘉久取締役からVIP招待チケットを受け取った(撮影=松橋隆樹)

グランプリを受賞したセッショナブルの梶屋陽介さん(右)。ベガルタ仙台の竹中嘉久取締役からVIP招待チケットを受け取った(撮影=松橋隆樹)

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 せんだいメディアテーク(仙台市青葉区春日町)1階オープンスクエアで2月5日、「SENDAI for Startups! ビジネスグランプリ2017」のファイナリスト公開プレゼンテーションが行われた。

公開プレゼンテーションに出場したファイナリストら

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 仙台市では「日本一起業しやすいまち」実現を目指す取り組みの一環として2015年から同コンテストを開催。仙台・宮城の起業家から具体的なビジネスプランを募集し、優れたプランを表彰している。

 今年は55件の応募が寄せられ、書面審査・面接審査を通過した13事業者がファイナルイベントに出場。会場には仙台ですでに事業を営んでいる人や起業に関心のある人、ファイナリストの関係者など定員の100人を超える来場があり、施設利用者らで立ち見も出た。

 プレゼンテーションに先立ち、バイリンガル保育園「キンダーキッズ」(本社=大阪市北区)社長の中山貴美子さんが講演を行った。中山さんは子育ての傍ら2000年、数十万円の自己資本を元手に起業。現在では国内外に20施設以上を展開し、売上高20億円を超える規模に育て上げた。講演では起業のきっかけから現在までの道のり、事業拡大の苦労、家庭との両立、今後の展望などを話し、自らの経験を踏まえた起業論を展開。「本当に大変だったが、やりがいがあって、やったこと全てに答えが出る。やっぱり起業してよかった」と締めくくり、起業を目指す人たちへエールを送った。

 ファイナルイベントに進んだ13事業者によるプレゼンテーションでは、それぞれスライドや動画を活用して事業や商品の優位性をアピールし、身ぶり手ぶりを交えて熱弁。来場者は興味深げに耳を傾け、時折メモを取ったりスライドを撮影したりする姿も見られた。

 審査の結果、グランプリにはオリジナルブランドのエレキギターを製造販売する「セッショナブル」(女川町)が輝いた。優秀賞は、クラウドファンディングで資金を調達しポータブルDJシステムの海外展開に挑む「JDSound」(仙台市青葉区)、東北大学発のベンチャーで途上国での感染症拡大を防ぐための検査紙を開発した「TBA」(同)、導電性繊維による面状発熱体の製品化を目指す「Fabtech」(若林区)が受賞。来場者の投票で決めるオーディエンス賞には、日本茶とフレーバーを組み合わせた新たなお茶の楽しみ方とライフスタイルを提案する「OCHACCO」(起業準備中)が選ばれた。

 審査委員長を務めた東北大学大学院経済学研究科の福島路教授は総評で、「今回は魅力的なプランが多く審査に難航した」と話し、全体の共通点として、東日本大震災が起業に大きな影響をもたらしたこと、既存の製品に新たな着眼点で価値を生み出していること、地元にあるものを有効活用していることを挙げた。「仙台から飛び立って大きな会社になって、仙台の人を雇用し、仙台に納税し、大きな成功を収めることを期待している」と呼び掛けた。

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