メディアテークで井上雄彦さん「最後のマンガ展」-仙台が「最終重版」

「井上雄彦 最後のマンガ展」会場入口の壁に描かれた幅約20メートルの絵。開催前日まで井上さんが現場で描き上げた

「井上雄彦 最後のマンガ展」会場入口の壁に描かれた幅約20メートルの絵。開催前日まで井上さんが現場で描き上げた

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 「スラムダンク」「バガボンド」「リアル」などの作品で人気を集める漫画家・井上雄彦さんの「最後のマンガ展 最終重版」が5月3日から、せんだいメディアテーク(仙台市青葉区春日町)6階ギャラリーで開催されている。

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 同展は2008年5月~7月に上野の森美術館(東京都台東区)で初開催され、期間中延べ10万人を動員。予想を上回る好評を受け「重版」として熊本、大阪を巡回し、今回の仙台会場が最後の公開となる。

 展示は「バガボンド」がモチーフとなっており、会場全体に配置された約140点の肉筆画で構成。作品の展示位置や導線の取り方、照明など細部まで井上さんがスタッフと意見を交わしながら決め、入口の壁には幅約20メートルの巨大な絵を新たに描き下ろした。

 「鑑賞者には先入観を持たずに作品を読み進めてほしい」という井上さんの強い意向から、ストーリー内容は一切非公開。主催者は「人物や時代の設定を超えた、人間の普遍性を感じさせるストーリーが展開されており、『当たり前のことを、多くの人に伝えたい』という作家の思いが全体にみなぎる静かで力強い作品」としている。

 会場の外では展示作品を収録した図録「いのうえの 満月篇」(4,500円)や、制作過程を収めた写真集「いのうえの 三日月篇」(2,800円)、「井上てぬぐい」(各1,200円)、ピンバッジ(各400円)、Tシャツ、ポスターなどのグッズを販売。期間中、同施設1階の「クレプスキュール・カフェ」では展示を見た人の感想がリアルタイムで映し出される「芳名ボード」を設置をするほか、「バガボンド」のイラストが描かれたコースターも使う。

 「熊本、大阪と非常に良いかたちに進化していったマンガ展だが、そのために費やすエネルギーもまた大きく、回数を重ねることは難しいため今回で幕を下ろすことにした。もう再び会うことのない物語を、僕自身も楽しみたいと思う」と井上さん。同展企画担当者も「本当に今回で最後となるので、行こうかどうか迷っている人にはぜひ見ていただきたい。多くの仙台市民の皆さまにご来場いただければ」と呼び掛ける。期間中の動員見込みは7万人~10万人。

 開催時間は10時~20時(最終入場は19時)。観覧料は1,500円(小・中学生は500円)。同施設で購入できる当日券のほか、チケットぴあ・ローソンチケットで予約券も販売する。6月13日まで。

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