仙台市若林区の「福島美術館」(仙台市若林区土樋、TEL 022-266-1535)で2月27日、「紋切り遊び」のワークショップが開かれた。
同館は1980(昭和55)年に開館した私設美術館で、近世・近代の絵画と書跡のほか、工芸・彫刻・歴史史料など3,000点を展示。ワークショップの開催は今回が初で、「美術館で行うということで、ただ遊ぶイベントではなく、日本の歴史や文化・伝統などを伝えられるものをと考えた」と同館学芸員の尾暮まゆみさん。
「紋切り遊び」は江戸時代中・後期に庶民の間で流行した紙切り遊びで、紙を折って型通りに切り抜いて広げ、「紋」の形をつくる。今回は、初級・中級・上級に分かれた100種類以上の見本を元に、参加者が好みの型紙と折り紙を選んで挑戦した。
ワークショップには12人の女性が参加。ほとんどが初心者で、スタッフの説明を受けながら真剣な様子で取り組んでいた。恐る恐る折り紙を広げ、思わず「できた!」と声を上げる参加者も。終盤になると、より複雑で難度の高い上級者向けの紋様を完成させるほどの腕前に成長していた。「初めてだったが意外と簡単にできて楽しかった。本を買って家でもやってみようと思う」(女性参加者)。
尾暮さんは「一人ひとりにじっくり楽しんでいただきたいという当初の目的がかなった。歴史や文化を美術で彩り・楽しむことをテーマに、今後も美術館でやるという意味を考えながらイベントを企画していきたい」と話す。