
宮城県内の7蔵が共同で手がける日本酒「DATÉ SEVEN(ダテセブン)」のお披露目会が7月2日、「浦霞(うらかすみ)」醸造元の佐浦(塩釜市)で開かれた。
宮城の酒の国内外へのPRと酒造技術の向上を目的に、県内7蔵が酒造りの工程を分担して受け持ち一つの酒を醸す「DATÉ SEVEN」。2015(平成27)年に始まり、全体を統べる「リーダー蔵」が2021年で1周。2022年からは「SEASON2」として、リーダー蔵を2蔵とし、2種類の商品を展開している。今年は佐浦と「伯楽星」醸造元の新澤醸造店(本社=大崎市、製造蔵=川崎町)がリーダー蔵を務め、ほか5蔵が両蔵に赴き各工程を監修した。担当蔵は、洗米=勝山酒造、こうじ=墨廼江(すみのえ)酒造、酒母=萩野酒造、もろみ=川敬商店、搾り=山和酒造店。
リーダー蔵が2蔵になったことにより、同じ原料米と精米歩合でありながら異なる個性が酒に表れる。今回は「海の蔵」の浦霞、「山の蔵」の伯楽星を打ち出した「浦霞style-伝統の海-」「伯楽星style-大地の進化」の2種類。いずれも山田錦100%使用、精米歩合48%の純米大吟醸で、アルコール分は15度。
「浦霞style」は「宮城酵母」と同蔵発祥の「きょうかい12号酵母」を使い、それぞれに由来する華やかな香りと爽やかな酸味が感じられる程よい甘みに仕上げた。「伯楽星style」は完熟メロンのような香りを持たせながらも、伯楽星らしい切れのあるすっきりとした味わいが特徴。
それぞれはっきりと異なる酒質だが、事前に打ち合わせはしていないという。佐浦社長の佐浦弘一さんは「伯楽星さんはおそらくこういうタイプの酒が出てくるだろうな、ということをイメージしながら方向性を考えた」と話す。新澤醸造店社長の新澤巌夫さんも「この取り組みを積み重ねてきたことで、それぞれの造りから生まれる酒はこうだなと感じることができるようになり、その酒造りを尊重した上で自分たちの個性をどう表現していこうかと考える楽しみがある」と言う。
ラベルには両蔵のロケーションから想起したアートワークがそれぞれに施され、抜栓解禁日としている七夕にちなんで、2本並べると織姫とひこ星が出会えるような仕掛けも。「両方を飲み比べたいと心から思える2本になった」と新澤さん。佐浦さんは「海と山の対照的な味わいを楽しんでもらえたら」と呼びかける。
いずれも価格は720ミリリットル=2,700円。今月5日に仙台市青葉区の藤崎で販売会を行い、以降県内の酒販店で取り扱う。