
昨年12月に誕生した双子のホッキョクグマの一般公開が6月2日、「八木山動物公園フジサキの杜(もり)」(仙台市太白区八木山本町1、TEL 022-229-0631)で始まった。
父親のカイと母親のポーラの間に、昨年12月20日に生まれた雄と雌の双子のホッキョクグマ。国内では12年ぶりの双子の誕生となった。カイとポーラは2010(平成22)年から繁殖を目的に同居を始め、繁殖行動は見られるものの出産に至らなかったことから、2018(平成30)年からは繁殖行動が見られる期間中に人工授精を行った。ポーラはこれまで、2019年、2022年、2023年に出産したが生育せず、今回初めて2週間以上の成育に成功した。
現在の推定体重はそれぞれ約30キロ。見分け方について、飼育展示課普及調整係係長の佐藤純栄さんは「雄が好奇心旺盛でお母さんのご飯も興味を示して食べてみるようになったので、若干大きくなってきていている。鼻が太くて目が離れているのは雄。慎重派で整った顔をしているのが雌」と話す。
連日、双子のホッキョクグマを一目見ようと県内外から多くの観覧客が訪れている。一般公開後初めての週末となった7日・8日は1000人以上が訪れ、8日は9時50分で観覧列への整列を締め切った。
同園では現在、職員が選出した6候補の中から双子の愛称を決める投票を受け付けている。候補は、12月の誕生石にちなんだ「ジルコ」「ラピス」、ポーラの4度目の出産で誕生した双子という奇跡(=ミラクル)から「クルン」「ミラ」、両親の名前にちなんだ「うみ」「そら」、12月20日の誕生花から「ラーク」「カトレ」、ホッキョクグマの学名ウルサス・マリティムスの一部から「ウル」「マリ」、東北地方の呼称「みちのく」にちなんだ「のっく」「みっち」。
同園ビジターセンター展示室と、藤崎(青葉区一番町3)本館5階で掲示されている2次元コードでアクセスし、愛称候補の中から1つを選んで投票する。投票は1人1回限り。投票は6月17日までで、決定した愛称は7月5日の命名式で発表する。佐藤さんは「繁殖と生育が難しい動物種で、双子ならではのじゃれ合っている様子はなかなか見る機会がないと思う。肉眼で見て、ぴったりだなと思う名前に投票してもらえたら」と呼びかける。
公開時間は9時15分~11時。観覧列への整列は10時30分で締め切る(早めに締め切る場合あり)。入園料金は、一般(高校生以上)=480円、小・中学生=120円(未就学児無料)。