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東北歴史博物館で「多賀城1300年」 東北初展示の国宝など700点で歴史たどる

「第3章 “古代都市”多賀城と都」。国宝「金装大刀」(京都大学総合博物館所蔵)の展示には人だかりも

「第3章 “古代都市”多賀城と都」。国宝「金装大刀」(京都大学総合博物館所蔵)の展示には人だかりも

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 東北歴史博物館(多賀城市、TEL 022-368-0106)で10月12日、特別展「多賀城1300年」が始まった。

国宝「多賀城碑」のレプリカ

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 724年に創建し、陸奥国府が置かれるなど、古代東北の政治・文化の中心として繁栄した「多賀城」に由来する多賀城市。今年で創建1300年を迎えることから同館では、長年にわたる発掘調査と研究によって明らかとなった多賀城の姿を、古代の都と東北、北方世界の動向に関連させながら紹介する特別展を企画した。

 会場は、「プロローグ 多賀城跡の調査」「第1章 多賀城の創建」「第2章 多賀城とエミシ」「第3章 “古代都市”多賀城と都」「第4章 多賀城と北方の交流・交易」「エピローグ 多賀城の1300年」で構成。奈良・平安時代に東北の政治・軍事の中心であった多賀城の全貌を紹介するとともに、1300年後の現代まで多賀城が人々からどのように認識され、親しまれてきたかをたどる。

 多賀城跡や多賀城廃寺跡、山王・市川橋遺跡から出土した資料を中心に、平城京、長岡京、平安京といった古代の都や東北各地の遺跡からの出土品など、国宝20点、重要文化財約300点を含む約700点を展示。中でも、国宝「金装大刀(きんそうたち)」(京都大学総合博物館所蔵)は、陸奥守(むつのかみ)を務めた平安時代の征夷大将軍・坂上田村麻呂の大刀ともいわれる名品で、東北地方で初めての展示となる。

 同館学芸員の鈴木啓司さんは「重要文化財に指定された多賀城跡の出土資料を中心に展示を作り、それに関連するものとして坂上田村麻呂ゆかりの金装大刀、多賀城に関係する都のもの、各地のいろいろな資料を取り寄せている」と話す。「今のように医療なども発達していない時代、京都・多賀城・東北各地でどのような祭祀(さいし)やまじないが行われていたのかを示す物を集めた展示にも注目してほしい」と話す。

 開催時間は9時30分~17時(発券は16時30分まで)。月曜休館(祝休日の場合は翌日)。入場料は、一般=1,200円、65歳以上=1,100円、小中高生=500円。12月15日まで。

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