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仙台文学館で「にゃんてったって猫」展 猫と人間の物語を文学と写真で

平安時代から現代に至る「猫と文学」の関係を取り上げた展示

平安時代から現代に至る「猫と文学」の関係を取り上げた展示

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 仙台文学館(仙台市青葉区北根2、TEL 022-271-3020)企画展示室で9月10日から、特別展「にゃんてったって猫-猫と人間の物語-」が開かれている。

猫カフェをイメージした「ブックカフェ 猫」

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 平安時代の「源氏物語」「枕草子」「小右記」には高貴な猫が登場し、江戸時代には戯曲作家の滝沢馬琴が長寿の黒猫を飼い、浮世絵師・歌川国芳は、猫を懐に入れるなどして何頭もの猫と一緒に暮らしていたとされる。明治時代には夏目漱石や内田百けん(けんは門構えに月)らの作家が猫にインスピレーションを得て作品を生み出すこともあったといい、そうした「猫と人間の物語」をテーマにした同展。

 メイン展示は「猫と文学」。「平安時代の猫」「江戸時代の猫」「明治の作家と猫」「近・現代の作家と猫」の4つに分け、猫が登場する絵巻や浮世絵などの美術全集から長編物語、エッセー、小説、童話などを紹介し、「猫と作家(人間)の深くて味わいのある関わりを見つめる」。歌人で同館館長の小池光さん、俳人の大木あまりさん、作家の小池真理子さん、町田康さん、角田光代さんが同展のために書き下ろした猫についてのエッセーも公開する。

 「現在社会において猫と人間はどのような関係にあるのか。作家・写真家・愛猫家・行政獣医師といったさまざまな職業の人と猫の関係、そして、その中から生まれた作品を通して、人間のあり方を省みるきっかけになれば」と同館担当者。

 「岩合光昭ミニ写真展」コーナーも設け、動物写真家・岩合光昭さんが石巻市田代島で撮影した猫の写真を中心に30点を展示。猫関連書籍閲覧スペース「ブックカフェ 猫」では、猫に関する絵本・写真集・漫画・小説・エッセーなど500冊をそろえる。

 仙台市動物管理センター(アニパル仙台)のコーナーでは、殺処分問題の解決に取り組む活動や譲渡事業、東日本大震災の経験を生かした「ペットのための防災」などの普及啓発活動を紹介。同センターから譲渡された猫たちが家庭で幸せに過ごしている様子を収めた写真161点も展示する。同担当者は「猫のかわいさに浸っていただくとともに、家族の一員として生きる猫がいる一方、飼い主のいない外で暮らす猫たちにも目を向けてもらうきっかけになれば」と話す。

 開館時間は9時~17時(展示室への入室は16時30分まで)。入場料は、一般=700円、高校生=400円、小・中学生=200円。月曜、休日の翌日、第4木曜休館(9月22日、10月10日・11日は開館)。11月6日まで。

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