仙台うみの杜水族館のイロワケイルカ「サクラ」、横浜八景島へ「お引っ越し」

普段立ち入りできないプールの上からイロワケイルカの姿を観察した「サクラちゃんいってらっしゃいツアー」

普段立ち入りできないプールの上からイロワケイルカの姿を観察した「サクラちゃんいってらっしゃいツアー」

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 仙台うみの杜(もり)水族館(仙台市宮城野区中野4、TEL 022-355-2222)のイロワケイルカ「サクラ」が6月6日、横浜・八景島シーパラダイス(神奈川県横浜市)へ「引っ越し」した。

イロワケイルカのサクラ

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 黒と白のツートンカラーが特徴のイロワケイルカは別名「パンダイルカ」とも呼ばれ、主にマゼラン海峡を含む南アメリカ南部近海、フォークランド諸島近海、南インド洋のケルゲレン諸島近海に生息しており、日本では希少種とされている。国内の水族館で飼育しているのは、同館の4頭(サクラ・セーラ・ボン・ツバサ)と鳥羽水族館の5頭(三重県鳥羽市)のみ。

 同館ではイロワケイルカの中長期的な繁殖を目指し、横浜・八景島シーパラダイス、鳥羽水族館と連携。現在飼育するセーラとボンの繁殖に取り組むことを目的に、まだ繁殖に参加していないサクラを横浜・八景島シーパラダイスへ移動することに決めた。同館広報担当者は「次世代にもイロワケイルカの姿をお届けするために、3館が協力し持続的な繁殖を行うことにした」と説明する。

 サクラは2010年6月20日、昨年閉館したマリンピア松島水族館で誕生。現在の体長は約140センチで、体重は約45キロ。「東日本大震災当時、まだ乳飲み子だったが、母親と共に乗り越えたたくましいイルカ。おてんば娘で、とっても好奇心旺盛で、手を振ると近くに来てくれる」と同担当者。

 マリンピア松島水族館時代から担当していた飼育員の田中悠介さんは「2010年4月に入社し、約2カ月後にサクラちゃんが生まれた。お客さまによく『子どものようにかわいいのでは』と聞かれるが、動物たちは仕事のパートナー。今回の引っ越しは、長くシロワケイルカを飼育するためには大事なこと。それがサクラのためにも一番だと思った」としながらも、「それでもやはり寂しい。八景島シーパラダイスに会いに行きたい」と笑顔を見せる。

 同館では「人気者のサクラを笑顔で送り出したい」と、5日・6日に「サクラちゃんいってらっしゃいツアー」を企画。サクラの姿を一目見ようと多くの家族連れなどが訪れ、各回定員20人が10分程度で満員になった。参加者は普段アクリル越しでしか見ることのできないプールの上からサクラの様子を観察し、新天地での活躍を祈り手を振っていた。

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