JR東日本は3月17日、現在不通となっている仙石線と石巻線の一部運転を再開する。
運転を再開するのは、東日本大震災の影響で線路の冠水・流失などの被害を受けて不通となっていた仙石線陸前小野~矢本間と石巻線石巻~渡波間の2区間。
運転再開に合わせ、仙石線「陸前小野駅」新駅舎の使用を開始。同駅舎は切り妻形の屋根形状が特徴で、利用者を迎え入れる「家らしさ」を表現し、明るく温かみのある色合いの「優しい印象の駅舎」にしたという。
残る仙石線不通区間の高城町~陸前大塚間は、地盤沈下した線路基盤のかさ上げや護岸工事を実施して現位置に復旧し、陸前大塚~陸前小野間はまちづくり計画に合わせて現位置よりも500メートル程度山側に移設して復旧する予定。「(高城町~陸前小野間の)運転再開までに要する期間は鉄道工事着工から2年程度を見込む」としているが、着工時期は未定。現在、自治体との協議・調整を進めている。
石巻線不通区間の渡波~女川間のうち、渡波~浦宿間は護岸工事などを実施したうえで現位置への復旧を行う予定。工事着手に向けて宮城県・石巻市・女川町と調整し、2013年度初旬の運転再開を目指す。浦宿~女川間については女川駅周辺の被害が甚大なため、いまだ運転再開の見込みは立っていない。「今後、駅の位置などを含め、引き続き協議を進めていく」と同社。
同社広報担当者は「まだまだ全線開通まで時間を頂いてしまうが、やれるところからやっていこうと考えている。今後も一日も早い運行再開に向けて全力で取り組んでいくので、利用者の皆さまには迷惑をお掛けしてしまうが、引き続きご協力いただければ」と話す。