ロックバンドの「くるり」は3月12日、石巻の復興支援を目的としたチャリティーCD「石巻復興節」をリリースする。
昨年10月にNHK BSプレミアムで放送した番組内で誕生した同曲。演歌歌手の石川さゆりさんから依頼を受けた同バンドの岸田繁さんが、石巻の仮設住宅「開成団地」で生活する住民をはじめ、石巻で暮らす人たちの言葉を紡ぎ節を付けて民謡にした。
11月にはバンドメンバー全員で石巻を訪れ、開成団地の住人の前で同曲を披露。CD化の要望が寄せられたことから、全国ツアーで披露したバージョンを基に制作。レコーディングには、震災後に東北ライブツアーを共に回った細野晴臣さんも参加した。
歌詞には、日和山・万石浦・渡波・金華山など石巻の景色を込め、「おだずなよ(冗談じゃない)」「負けでらいね(負けていられない)」「やっぺす(やるぞ)石巻」など、人々の気持ちや決意を石巻弁で織り交ぜた。ジャケット写真には、日和山から見下ろした震災前の石巻の風景を使った。
岸田さんはブログで「歌詞の中ではもう見ることができない思い出の景色や、津波の恐怖、漁業や水産加工業への誇り、新しい町として復興することへの強い思いが込められています。チャリティーCDでの発売となりますが、石巻の方々による石巻の歌を、石巻の方々が未来の石巻のために歌い継いでいってほしいと思っています」とつづっている。
販売箇所は、「街づくりまんぼう」や楽器店「サルコヤ」をはじめ、石巻市内18カ所を予定(3月7日現在)。同バンドオフィシャルサイトでのネット販売も行う。価格は、石巻市内=500円、ネット販売=700円。売り上げの一部は石巻復興支援ネットワークを通じて仮設住宅での生活支援や「石巻川開き祭り」などの地域事業活動支援金に充てられる。